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学会開催の情報などをお知らせします。

日仏歴史学会第12回研究大会の御案内


日仏歴史学会事務局


まだまだ厳しい寒さが続いておりますが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。

日仏歴史学会では、総会のない年の年度末に研究大会を行ってまいりましたが、今年度につきましてもきたる3月28日(金)に第12回研究大会を開催することといたしました。今回の研究大会は、神戸大学の小山啓子さんに準備を担当いただき、神戸大学を会場として開催いたします。第8回研究大会(2019年、龍谷大学)以来、新型コロナ禍が明けて初の西日本での開催となります。今回の研究大会は、前回の研究大会(学習院女子大学)に引き続き、対面開催をメインとしつつも、Zoomによるリモートを合わせたハイブリッド開催として準備しております。会員の皆様におかれましては、できる限り対面でご参加いただき、直接、報告者との対話や会員同士の交流を深めていただきたいと考えております。もちろん、様々な理由で、対面での参加が難しい会員の皆様もいらっしゃると思われますので、その場合には、オンラインをご活用くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
つきましては、会員の皆様におかれましては、お忙しい中恐縮ですが、本頁下にあるGoogle FormのURLもしくはQRコードへアクセスいただき、参加をご登録いただきたいと存じます。対面・Zoomどちらでご参加の場合も必ずご登録ください[3月8日(土)〆切]会員でない方のご参加も歓迎いたしますので、この登録フォームの情報を関心ある方にお伝えいただければと存じます。以下、注意事項を書かせていただきます。

① 対面で参加予定の皆様へ
◎必ず登録フォームでの参加登録をお願いいたします。
◎研究大会終了後に18時から懇親の場を設けたいと存じます。各種感染対策に万全を期しますので、対面開催の長所は会員間の直接の交流であることに鑑み、ぜひご参加いただければと存じます。

② オンラインで参加予定の皆様へ
◎ZoomURLについては、オンライン希望登録いただいた皆様へ、3月26日(水)を目途にメールにて送信いたします。しばらくお待ちください。
◎研究大会で用いる資料類は、以下のドライブからダウンロードできます。こちらは用意できた資料からアップロードしていく予定です。
https://drive.google.com/drive/folders/1IkoueQvWy6aoc19p3xJjMU4AzoK4DyZh?usp=drive_link

以下のURLにてご登録ください。(3月8日〆切)
https://forms.office.com/r/5QC51rJj2u

ご質問やお問合せ等がありましたら、事務局の坂野([email protected])までご連絡ください。

日仏歴史学会第12回研究大会プログラム


日時 2025年3月28日(金) 午前10時45分~
対面 神戸大学大学院人文学研究科・文学部B331教室での対面開催
(+Zoomミーティングによるハイブリッド開催)


10時45分 開会挨拶

第一報告 中山 俊氏(成城大学) 司会:上垣 豊氏(龍谷大学名誉教授)
「1830~1840年代のフランスにおける宗教的記念物の「復興」の試み」
10時50分~11時40分 報告
11時40分~12時30分 質疑応答

12時30分~14時00 分 昼食休憩

第二報告 隠岐 さや香氏(東京大学) 司会:佐々木 真氏(駒澤大学)
「王立諸アカデミーにおける自由・名誉・報酬――栄えある「パンと自由」を求めて――」
14時00分~14時50分 報告
14時50分~15時40分 質疑応答

15時40分~16時00分 休憩

第三報告 長谷川 敬氏(慶應義塾大学) 司会:図師 宣忠氏(甲南大学)
「帝政ローマ前期ガリア南部における公道管理――ドミティア街道の管理主体に関する一考察――」
16時00分~16時50分 報告
16時50分~17時40分 質疑応答

17時40分 閉会挨拶

大会終了後、懇親会(18時~)

[会場案内図]神戸大学 六甲台第2キャンパス 人文学研究科・文学部 B331教室
文学部B棟3階(下図の98番の建物)

会場へのアクセス:
〇JR新神戸駅から
1.神戸市営地下鉄「新神戸駅」→「三宮駅」 (阪急神戸線に乗換)→ 阪急電鉄「三宮駅」→ 「六甲駅」
2.神戸市バス2系統「布引」→「六甲」
3.タクシーで約20分

〇阪神電鉄御影駅・JR 六甲道駅・阪急電鉄六甲駅から
・阪神電鉄「御影駅」→神戸市バス36系統鶴甲団地行、鶴甲2丁目止まり行き乗車 「神大文理農学部前」下車
・JR「六甲道駅」→神戸市バス36系統鶴甲団地行、鶴甲2丁目止まり行き乗車 「神大文理農学部前」下車
・阪急電鉄「六甲駅」→神戸市バス36系統鶴甲団地行、鶴甲2丁目止まり行き乗車 「神大文理農学部前」下車

〇徒歩
・阪急「六甲駅」から約15~20分

日仏歴史学会第12回研究大会報告概要

第一報告 中山 俊氏(成城大学)
「1830~1840 年代のフランスにおける宗教的記念物の「復興」の試み」

七月王政期に内務省は、歴史的記念物全国視察官職及び歴史的記念物委員会を創設し、芸術的・歴史的価値を有する歴史的建造物、すなわち歴史的記念物の中央集権的な保護・管理体制を構築した。ただし、当時は、宗務局(宗務省)、民建建造物議会会(内務省ないし公共事業省)、芸術・記念物歴史委員会(公教育省)も歴史的記念物の管理に関わっていた。これらの組織は、必ずしも芸術と歴史という学術的かつ世俗的な観点から歴史的記念物を評価し、保存や修復、内装の改変等の方針を決定したわけではなかったであろう。とりわけ大聖堂や教会堂といった宗教的記念物は、礼拝の場としての用途等の宗教的性格をもち得るものであり、このような側面も考慮に入れた上で、どのようにそれを保存すべきかが検討されていたはずである。本報告の目的は、この問題を、宗務局や芸術・記念物歴史委員会に所属した人々、特に自由カトリックの指導的存在であったシャルル・ド=モンタランベールの言動を通じて明らかにすることである。彼らの目標を宗教的記念物の「復興」と捉え、そのための彼らの言動が1830~1840年代における宗教的記念物のありように与えた影響の如何について考察したい。

第二報告 隠岐 さや香氏(東京大学)
「王立諸アカデミーにおける自由・名誉・報酬――栄えある「パンと自由」を求めて――」

フランスでは17世紀に文化・科学・芸術に関する王立アカデミーが立ちあがり、王権による才人の囲い込みがなされた。だが、それぞれ異なる集団の文化的慣行を基盤にした組織であるため、各アカデミーにおける財務・運営実態は大きく異なっていた。本報告ではその中でも、アカデミー・フランセーズ(1635年設立)、碑文文芸アカデミー(1663年設立)、科学アカデミー(1666年設立)を対象に、それぞれにおける「自由」や「名誉」と報酬の関係を比較財政史的視点から検証する。自然科学を扱う科学アカデミーが、一定の活動の自由を確保しつつも会員報酬の増額を達成していったことは知られる。同様の傾向は、歴史・古典を守備範囲とする碑文文芸アカデミーにも見られた。だが、ルイ十三世治世に成立した言語のためのアカデミー・フランセーズは、それとは異なる「無報酬ゆえの自由」を掲げ続けた。報告では17・18世紀の言説や、各アカデミーの会合出席者が受け取っていた「ジュトン」(jetons)の配布慣行等を踏まえて、アカデミー・フランセーズ会員の象徴的な地位の高さを確認する。その上で三つのアカデミーにおける自由・名誉・報酬の配分についての記述を試みる。

第三報告 長谷川 敬氏(慶應義塾大学)
「帝政ローマ前期ガリア南部における公道管理――ドミティア街道の管理主体に関する一考察――」

帝政期のローマの公道(いわゆるローマ街道)は、国家による建設・管理が原則とされ、ガリアを含む属州地域においても同様であった。しかし、総延長約10万キロメートルと推定される帝政期属州公道の全区間を、帝国自身が国庫ないしは皇帝金庫からの支出で維持管理することは不可能であったと考えられ、沿道の土地保有者と沿道都市が実質的な属州公道の管理者且つ財政負担者であった可能性が高いとされている。そこで、本報告では、ガリア初のローマ公道であり、イベリア半島とイタリア本土を結ぶ主要幹線であったドミティア街道を検討対象に設定し、帝政前期(前1世紀末~3世紀前半)における同街道の維持管理の実態を明らかにすることで、ガリア、ひいては帝国全体における公道管理のあり方について理解を深めることを目指す。なお、検討に当たっては、従来参照されてきたマイル標石(里程標)碑文のみならず、これまで十分に活用されてこなかった考古学調査の成果も加味し、それによって公道研究の新たな地平を開くことを試みる。

日仏歴史学会第11回研究大会プログラム
 
日時 2024年3月28日(木)午前10時30分~
対面(学習院女子大学 2号館222教室)+Zoomミーティングによるハイブリッド開催
 
10時30分 開会挨拶
 
第一報告 向井 伸哉氏 (大阪公立大学)  司会:加藤玄氏(日本女子大学)
「中世南仏村落における代表選挙:1412年セリニャン村(エロー県)の選挙法改正を中心に」
10時40分~11時30分 報告
11時30分~12時20分 質疑応答
 
12時20分~13時40分 昼食休憩

第二報告 見瀬 悠氏 (大阪大学) 司会:佐々木真氏(駒澤大学)
「ユダヤ人は「外国人」か? ―18世紀フランスにおける臣民資格と宗教―」
13時40分~14時30分 報告
14時30分~15時20分 質疑応答

15時20分~15時40分 休憩

第三報告 武田 佑太氏 (札幌大学) 司会:矢後和彦氏(早稲田大学)
「普仏戦争以降のフランス系商業会議所における利害形成―グローバル化への対応と社会集団の組織化―」
15時40分~16時30分 報告
16時30分~17時20分 質疑応答
 
17時20分 閉会挨拶
 
大会終了後、懇親会